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携帯電話:大阪の学校「禁止」 圏内どこまで?

 大阪府が学校への携帯電話持ち込みや使用を原則禁止とする方針を明らかにして1週間が経過した。その是非を考える動きが広がっている。橋下徹知事は記者会見で「携帯は必要ありません」と宣言。教育現場でも「生徒指導の後押しになる」との声が聞かれる。一方、学校生活の必需品になりつつある実情から、生徒たちの中には戸惑いも。「学校ケータイ禁止」はどこまで浸透するか。

 ◇生徒「メール確認は癖」/先生「知事宣言助かる」

 「授業中に携帯メールをしている生徒はすぐ分かる。うつむいて一点だけを見ている」。ある府立高校の生活指導担当男性教諭は話す。この学校では授業中の使用が絶えず、イヤホンのコードを袖の中に隠して音楽を聴く生徒もいる。「テスト中に携帯を使ったらカンニングとする」との規則をつくったが、それでも違反する生徒がいた。生徒は「友達からメールが入り、いつもの癖で手にしてしまった」と話した。

 大阪府教委の方針は「小、中学校は原則持ち込み禁止。高校は校内使用を原則禁止」。だが完全禁止は難しいと男性教諭は指摘する。2年生の男子生徒は「部活の連絡に携帯は必要。放課後も禁止になると困る」と言う。

 堺市教委は、中学1年生を対象に携帯電話などによるいじめを防止する授業を展開している。今月9日に授業があった市立深井中央中。「死ね」などの書き込みをして逮捕された高校生の事例を民間委託の指導員が説明すると、生徒たちは真剣に聴き入った。

 同中では、携帯メールのトラブルが他校生とのけんかに発展したこともあった。中村修一校長は「知事の宣言はありがたい。携帯容認の家庭が増える中、保護者にも禁止を呼びかけやすくなる」と語る。大阪府PTA協議会の坂口一美会長も「保護者のなかには登下校時の安全に役立つとの意見もあるが、学校には一定のルールが必要。子どもに携帯を持たせることの是非を考えるきっかけになるのでは」と肯定的だ。

 ◇いじめの道具に

 携帯電話の危険性から子どもを守る機運は全国の教育現場や地域で広がる。背景には携帯がいじめや犯罪の道具となる実態がある。

 「全国webカウンセリング協議会」の安川雅史理事長によると、偽のアドレスで送信する「なりすましメール」や脅迫的文言で転送を迫る「チェーンメール」などが嫌がらせを助長。「学校裏サイト」でのいじめも主に携帯電話が媒体だ。

 こうした指摘を受け、文部科学省は今年7月、学校での取り扱いのルール化を求める通知を都道府県教委などに出した。大阪府の取り組みの他にも、新潟県妙高市教委は小中学生に携帯を持たせないことを保護者に呼びかけることを決定。石川県野々市町でも地域住民が小中学生に持たせない運動を続けている。

 ◇携帯の問題に詳しい下田博次・群馬大特任教授(情報メディア論)の話

 以前は携帯電話の学校への持ち込みは禁止だった。改めて禁止とするのは、それだけ問題の影響が大きくなったからだ。教育現場には助けになるだろう。(毎日新聞2008年12月12日付朝刊記事より転載)

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