完全失業率ってどう計算するの?

  ◆完全失業率ってどう計算するの?

 ◇職を探す失業者の割合 景気変動に遅れて推移

 なるほドリ 12月26日、11月の完全失業率が3・9%と発表されたね。どう計算するの?

 記者 無作為抽出した約4万世帯に住む、満15歳以上の約10万人が対象です。働いている人と失業者を合わせた数を分母、失業者を分子として計算します。失業者の定義は(1)仕事がない(2)すぐ働ける(3)職を探している--人。仕事はなくとも、職探ししていなければ失業者に数えません。1950年以前は求職していない人も含めましたが、国際労働機関(ILO)基準に合わせて(3)を加えました。以降は従来の失業者と区別し、完全失業者(率)と呼んでいます。

 Q 解雇された人全員が完全失業者というわけでもない?

 A はい。世界的な金融危機で雇用情勢は悪化しているのに、10月の完全失業率は3・7%で前月より0・3ポイント改善しました。データを集計している総務省は、「失職した人が厳しい求人状況の前に求職活動をあきらめ、完全失業者が減ったためではないか」と推測しています。

 Q 有効求人倍率が0・76倍とも公表されたけど、失業率とどう違うの?

 A 有効求人倍率は厚生労働省が集計します。ハローワークで職探しをする人1人に、何件の働き口があるかを示します。景気が上向いて求人が多くなれば倍率は上がるし、求人が減ったり、職探しをする人が増えれば下がります。景気が悪くなっても、一般的に企業はとりあえず雇用は守ろうとします。だから、失業率は景気変動に遅れて動く「遅行指標」とされていますが、有効求人倍率はほぼ同時に動く「一致指標」です。

 Q やっぱり、最近の数字は厳しいの?

 A 完全失業率は近くIT(情報技術)不況で過去最悪だった5・5%(02年8月など)を上回るとの予測もあります。最低は高度成長期の1・0%(70年3月など)です。

 Q でも、海外に比べたら低いとも聞くよ。

 A 10月は日本3・7%に対し、米6・5%、英6・0%、独7・1%でした。各国とも失業者の定義はILO基準です。ただ、英、独は計算から軍人を除くのに対し、日本は自衛隊員を含めるために働いている人の数が膨らみ、失業率が低めに出るとの指摘もあります。
(毎日新聞12月26日付朝刊「質問なるほドリ」より転載)

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