DNA鑑定ってどうやるの?

 ◆DNA鑑定ってどうやるの?

 ◇遺伝子の塩基配列、分析 精度向上「4兆7000億人に1人」

 Q 1990年の「足利事件」で、被害者の衣服から検出されたDNAを再鑑定したところ、無期懲役の受刑者男性と一致しなかったとして男性が釈放されたけど、そもそもDNA鑑定って何?

 A 人の体細胞には遺伝子情報を持つデオキシリボ核酸(DNA)があります。DNAには4種類の「塩基」という物質で構成されている部分があり、塩基の配列パターンは人によって異なります。このパターンを「DNA型」といい、警察などの専門機関が調べることをDNA鑑定と呼んでいます。事件現場に残された髪の毛や唾液(だえき)、血液からDNAを分析すれば人物を特定できるので、事件解決に大きく役立ちます。

 Q 実際にはどうやって調べるの?

 A 事件現場で鑑識課員らが髪の毛などを採取することから始まります。その後、科学捜査研究所など専門機関に持ち込まれ、特殊な装置でDNA型を特定します。容疑者が浮上すると、容疑者から口の中の粘膜などを任意で提供してもらい、DNA型を比較します。DNAはたばこの吸い殻に付いた唾液や、眼鏡の鼻パッドに付いた微細な皮膚片からも採取できます。

 Q 足利事件は再鑑定でDNAが一致しなかったんだよね。

 A 逮捕当時は、被害女児の服に付いていた体液と、男性のDNA型は一致するとの鑑定結果が出て、裁判所も鑑定に証拠能力があると判断しました。でも、その鑑定が行われた1991年ごろは、別人のDNA型でも一致してしまう確率が「1000人に1・2人」程度ありました。ところが今では「4兆7000億人に1人」と飛躍的に精度が上がっています。当時の鑑定の精度が低かったため再鑑定でようやく「不一致」と判明し、犯人は別人である可能性が極めて高くなりました。

 Q 決してあってはならないことだけど、DNA鑑定自体は進歩してるんだね。

 A ええ、昨年は全国の約3万の事件で鑑定が行われました。最近では中央大学の教授が殺害された事件で、被害者のつめに残っていた微物のDNA型が容疑者のものと一致したことが逮捕の決め手になりました。客観的な物証として、DNA鑑定の重要性はますます高まっています。(毎日新聞2009年6月10日付朝刊「質問なるほドリ」より転載)

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