マニフェストって、どんなものなの?

 ◆マニフェストって、どんなものなの?

 ◇選挙前に示す政権公約 各党が争点の説得力競う

 Q 最近「マニフェスト」って言葉をニュースでよく聞くけど、何のこと?

 A 選挙の前に、いろいろな政策について数値目標やいつまでに達成するかを有権者に約束する政権公約のことだよ。衆院選が近づいたので「うちの党が一番魅力的ですよ」とアピールしたいんだ。2005年の衆院選では、小泉純一郎元首相が「郵政民営化」の一点に絞った作戦が成功して、自民党が圧勝したよね。争点をうまく定めると有利という典型的な選挙だった。

 Q で、今の自民党と最大野党の民主党の違いは何なの?

 A それが実はよく分からなくなってるんだよね。民主党は2007年参院選で掲げた「高速道路無料化」を今度も訴えるつもりなんだけど、政府が「ETC車は休日料金引き下げ」を先に実施したので「アイデアの横取りだ」と批判している。他にも子育て支援や経済対策、雇用対策など、かなり似通っている。どちらも相手の「横取り」を警戒して、選挙ギリギリまでマニフェストは公表しないようだよ。「後出しじゃんけん」状態だ。

 Q それじゃ違いがわからないよ。何でそうなるの?

 A 「政権交代があるかどうか」の一点に世論の関心が集まっているからじゃないかな。小沢一郎前民主党代表が秘書逮捕後に続投を決め、批判が最も高まった今年4月でさえ、毎日新聞の世論調査では「次の選挙で勝ってほしい政党」は民主42%、自民32%で民主党が上だった。世襲制限など打ち出す政策は民主党の方が目新しいものは多く、自民党は何とか打ち消そうと躍起になってまねしようとする。民主党も「政権担当能力がない」という反撃を気にして現実路線を目指すから、結果的に似てきちゃう。

 Q じゃあ何を基準に投票すればいいのかな。

 A 民主党も「政権交代したら今と何が変わるか」をわかりやすく訴えることはまだできていないと思うよ。こうした点を共産党は「自民も民主も一緒だ」と批判し、民主党との連立を視野に入れる社民党も、「選挙では党独自の主張をする」と言っている。政治家は世論にとても敏感だから、各党がどれだけマニフェストに説得力を持たせられるか、監視していく必要があるね。(毎日新聞2009年6月13日付朝刊「質問なるほドリ」より転載)

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